文語詩集

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或る月夜

瞬く星影 (あを)き月
憂ふ心を たゞ照らす

きらめく(さざ)波 海風も
(なや)む心を ざわめかす

翼有れども 飛べぬ身を
思うて(なみだ) ()(しづく)

小鳥唄ひて 夜は明けぬ
後には眞紅(しんく)の 花一輪

作:2003/07/22


眠れ ()ゑたる者よ ~「インターナショナル」へのアンサーソング~

「いざ眠れよ ()ゑたる者よ、
 今()の時に あらざれば。
 ()むるべからず 我が同胞(はらから)よ、
 (あかつき)(いま)だ (きた)らざり。
 我らが鎖 我ら守りて、
 暴虐の鎖に あらざりき。
 (かうべ)を垂れよ (かひな)()げよ、
 我らが偉大な 指導者に。
 いざ(たゝか)はん 我らが敵に、
 いざ向かはん 組織が敵に。

 塞げよ(うめ)きを 狂氣の(こゑ)を、
 いかで天地や 轟かん。
 我らが組織 (かばね)を越えて、
 永遠(とは)に行く手を 守り(たま)ふ。
 我らが城は 我ら守りて、
 壓制(あつせい)の壁に あらざりき。
 (つるぎ)を振るへよ 勝ち(どき)上げよ、
 我らに(つゞ)かぬ その(あだ)に。
 いざ(たゝか)はん 我らが敵に、
 いざ向かはん 組織が敵に。」

作:2003/07/21


サマリアびとの(しらべ)

賊襲はれし ユダヤの者よ
(ひど)く傷附き 倒れてゐても
横を過ぎ行く 同胞(はらから)達の
目に打傷の 映る事無く
助けを叫ぶ (くれなゐ)の血も
虚しく流るゝ ばかりなり

歩みを止めし サマリアびとの
篤き癒しも (ねんご)ろにして
打たれし傷も 程なく癒えん
人目憚り 知られぬ内に
仇に示さる 仁と愛

作:1998/04/27


いろは歌: いえすはきぬ

いえすはきぬ
われらそせんかつみ
ちのしろにて
おひたまふ

さあこよ
ほねをりうゑなやめるも
くむゐとへゆけ

(イエスは來ぬ/我ら祖先が罪/血の代にて/負ひ給ふ/さあ來よ/骨折り飢ゑ惱めるも/汲む 井戸へ行け)

作:2003/12/01

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