フリーソフトの作者のすべてが「旧字旧かなを現代の言葉として綴る」「『旧字旧かな』を『正字正かな』と呼ぶ」事に好意的であるとは限りません。「古文や仮名遣に詳しい=正字正かなで現代の言葉を書く事にも好意的」とも限りません。古文や戦前の文献の研究者だが「旧字旧かなはあくまでも昔の文献のための表記で、現代の言葉に使用する人は見るだけでも気持ち悪い」と公言する人も一部に居ます。滅多にない事かもしれませんが、トラブルを避けるために、この事を念頭に置いていただければ幸ひです。
コンピュータのOSにより、幾つかの方法があります。その中でも特に代表的な方法を紹介します。
アプリ名 | 正字正かな辞書登録 | 正字正かなの手書き入力 | 備考 |
---|---|---|---|
Gboardの手書き入力 | × | ○ | 正字正かなを新字新かなに無理矢理補正する事が少なく、比較的優秀です |
mazec | × | ○ |
アプリ名 | 正字正かな辞書登録(過去の実績) | 正字正かなの手書き入力 | 備考 |
---|---|---|---|
Google日本語入力 | ○ | × | 現在はダウンロード不可。Google日本語入力用の正字正かな辞書を一括登録して使用可能でした。 |
ATOK for Android 通常版 | ×? | × | 現在は販売終了。買切り版、またはドコモのスゴ得/auスマートパス/ソフトバンクのApp Passでダウンロード可能。辞書サイズが小さいので、大きなサイズの辞書である正字正かな辞書は登録が途中で止まる? |
ATOK for Android (Passport版) | ○ | × | 最新版では登録可能な辞書の語数が少なく、正字正かな辞書のインストールに難あり。月極契約版。 |
ATOK for Android [Professional] (Passport版) | ○ | △ | 最新版では登録可能な辞書の語数が少なく、正字正かな辞書のインストールに難あり。月極契約版。手書き入力は正字正かなを新字新かなに無理矢理補正したがるので難あり。 |
Super ATOK ULTIAS | ○ | ○ | 富士通スマートフォン附属。最新機種のものは未検証。 |
このサイトでは、野嵜健秀氏による正字正かな辞書をAndroid用のGoogle日本語入力/ATOK for Android/Super ATOK ULTIAS(バージョンにより取込不可能な事もあります)で使へるやうコンバートしたモバイル餠辭書を公開してゐます。是非ご活用下さい。
アプリ名 | 正字正かな辞書登録 | 正字正かなの手書き入力 | 備考 |
---|---|---|---|
iPhone用旧仮名キーボード | × | × | 標準で旧字旧かな、新字旧かな、旧字新かなに対応。フリック入力で「ゐ」「ゑ」の入力可。漢字入力は字音かなづかひに完全対応。 |
ATOK for iOS | ○ | × | 開発元のサポート外だが、正字正かな辞書をインストール可能? |
mazec | × | ○ |
このサイトでは、野嵜健秀氏による正字正かな辞書をATOK for iOSで使へるやうコンバートしたモバイル餠辭書を公開してゐます。是非ご活用下さい。
一番最初に残念なお知らせですが、スマートフォンやタブレット(Windows以外)の場合、フリック入力で直接「ゐ」「ゑ」の文字を入力可能なかな漢字変換システムは、「iPhone用旧仮名キーボード」だけです。それ以外の場合はQWERTYキーボードで入力するか、手書き入力を試してみませう。幸ひ、モバイル餠辭書を使用する場合は「うぃ」「うぇ」で代用入力可能ですのでご活用下さい。「ゐ」と「ゑ」のフリック入力が可能で正字正かな辞書の使用可能(特にハ行四段活用は必須)なAndroid用キーボードアプリ、どなたか作つてください!
どのかな漢字変換システムでも共通してゐますが、QWERTYキーボードでローマ字入力する場合は、「wyi」と「wye」、または「wi」と「we」に「ゐ」「ゑ」が割り当てられてゐる事が多いものです。まづは、これで入力出来るかどうか試してみませう。入力出来ない場合は、かな漢字変換システムの設定画面でローマ字カスタマイズが可能であれば、「wyi」と「wye」または「wi」と「we」(もしくは他のお好みのキーでもOK)に「ゐ」「ゑ」を割り当てませう。
ローマ字入力ではなくかな入力の場合ですが、Windows版やMacOS版のATOKでは、[Shift]+[ひ]で「ゐ」、[Shift]+[へ]で「ゑ」が入力可能です。それ以外のIMEの場合もあきらめないでください。まづ、野嵜健秀氏による「Google日本語入力用正字正かな辭書」を使用する場合は「うぃ」「うぇ」で代用入力可能です。「キーボード配列エミュレータ」といふ種類のソフトを使ふ方法もあります。JISかな配列の未定義部分に「ゐ」「ゑ」を割り当てたり、もつと大胆に親指シフトキーボードの配列にして、未定義部分に「ゐ」「ゑ」を割り当てる事も可能です。
主に親指シフト配列を実現する為に作られたソフトですが、JISかな配列に「ゐ」「ゑ」を追加したい場合も、このプログラムが使用可能です。
やまぶき作ってます 開発者のブログ。やまぶき(IMEの入力モードを「かな入力」にして使ふ場合……動きは速いらしい)、やまぶきR(同じく「ローマ字入力」にして使ふ場合……動作は安定してローマ字入力との切替も可能らしい)のオリジナル版はここからダウンロード可能。
やまぶき 親指シフトインストーラー(かなモード用) 上記ソフトにインストーラを付けてインストールを簡単にしたもの。
やまぶきR 親指シフトインストーラー(ローマ字用) 上記ソフトにインストーラを付けてインストールを簡単にしたもの。
DvorakJ オリジナル版がダウンロード可能。
DvorakJ親指シフトインストーラー 上記ソフトにインストーラを付けてインストールを簡単にしたもの。
上記の「キーボード配列エミュレータ」をインストールした後、以下のキー定義ファイルを使用する事で、JISかなの場合は[Shift]+[ひ]で「ゐ」、[Shift]+[へ]で「ゑ」が、親指シフトの場合は[右シフト]+[Z]で「ゐ」、[右シフト]+[Q]で「ゑ」が入力可能です。
やまぶき/やまぶきR用「ゐ」「ゑ」入力対応キー定義ファイル JISかな/親指シフト/Japanist(IME)の「快速親指シフト」で「ゐ」「ゑ」の入力を可能にするキー定義ファイル。ZIPファイルを展開後、プログラムのインストールされたフォルダ内と、layoutフォルダ内にそれぞれコピーしてご使用下さい。ファイル名に「ローマ字入力モード用」の付く方が「やまぶきR」用、付かない方が「やまぶき」用です。
DvorakJ用「ゐ」「ゑ」入力対応キー定義ファイル JISかなと親指シフト(シフトキーは「スペース、変換」「無変換、変換」「無変換、スペース」のうちお好みで)で「ゐ」「ゑ」の入力を可能にするキー定義ファイル。ZIPファイルを展開後、プログラムのインストールされたフォルダ内のdataフォルダにコピーしてご使用下さい。